怒りのポイントカード

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怒りはポイントカード制である

もっとも大きな行動エネルギーを生み出す

ことのできる『怒り』。

ふつふつと鍋の水がゆくっり煮えるように

またあるときは瞬間的にピーっとヤカンの

蒸気孔から突発的にけたたましく汽笛を鳴らすように

そのエネルギーは視覚的にとらえる事ができるほどです。

 

 

患者さんからの怒り

家族からの怒り

同僚医療従事者からの怒り

研究室のボスや上司の怒り

 

 

実に色々な人の怒りに接してきましたが、

「そんなに怒ることないのに」

というくらい、いわれのない怒りエネルギー

をくらってしまい落ち込むこともしばしば。

 

 

人の感情、特に怒りはポイントカードに似ている

と言われることがあります。

この説明には非常に納得することが多いです。

 

 

細かなダメ出しポイントは1点

生理的に受け付けられないようなダメ出しは

一気に10点とか50点とか

人によって採点基準はもちろん違いますが

基本的にポイントが満タンになると

怒りが発生する、という仕組みです。

 

 

なので、些細なことでキレられることもあれば、

明らかな地雷を踏んだな、という時もあります。

 

 

これは感情脳(ほ乳類脳)の発達した女性に

多く見られる傾向があります

 

 

論理脳(人間脳)が優位な男性は

「何がいけなかったのか?」

「地雷がどこにあるのかわからない」

といった感想を持ちますが、そもそも

怒りはポイントカード制、

しかも『永久不滅ポイント』なのです。

 

 

医療は命が関わりますので、人間の防衛本能として、

論理脳よりも感情脳が優位に働きやすい環境です。

 

 

感情エネルギーを使って行動する場合、自分の

内面から湧き出る感覚があるため、行動力が上がり

即断即決となることもありますが、一方で防衛本能的に、

短期的利益を優先させてしまいがちです。

 

 

このような時に大きな決断をするのは適しません。

 

 

感情が冷めたあと、冷静になって考えると

「何でこういう決断をしたんだろう」

と、後悔することもあり得ます。

 

 

医師は、決断するのが患者さんでも医師でも、

感情エネルギーが大きく動いている状況では、

常に論理脳を働かせ、鳥瞰・俯瞰して長期的な利益、

全体像を把握してそれを提案するべきで、

大きな決断をするのはワンテンポ置いてから、が原則です。

 

 

もし患者さんが医師に対して怒りを露わにした場合、

それまでの些細なミスコミュニケーションの積み重ねなのか、

それとも他の出来事でポイントがすでに溜まっていた状態なのか、

何れにしても一度相手の感情を受け止め、その上で

仕切り直す(時間的・空間的に)のも一法です。

 

 

感情のぶつけ合いになると、お互いの

コアバリュー『もっとも大切にしている何か』

が露わになり、その後わだかまりが氷解することも

あり得ますが、大抵はお互いに傷つけあってしまいます。

 

 

医師は大きな決断をするときは感情で動くのではなく、

論理で動かなければなりません。

 

 

Always try to paint the bigger picture. 

 

  • 2018 10.20
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